『卯』 とは、干支(十二支)の四番目で年、日、時刻などにあてはまますが、
方角では、「東」、陰暦二月の異称であると言います。
卯の刻とは、夜明けの6時を中心とする2時間を指すそうです。
『卯』 の本来の読みは 「ぼう」 (茂、冒)。
草木が地面を蔽うようになった状態を表していて、覚え易くするために、
のちに動物の兎があてはめられたという経緯があるそうです。
干支の文字は、そういった語源が由来が面白いものです。
その干支のうさぎ。
跳躍力に優れているので飛躍、発展の年になる、
耳が長いことから「たくさんの情報をキャッチできる」、「聞き上手になれる」 などともされています。
また、赤い目は魔除けになるとして昔から聖なる動物とされているそうです。
その魔除けの赤い目が、卵型の薯蕷饅頭に愛らしくつけられている 『東宮』 さんの 『玉うさぎ』
菓銘も洒落ていますね。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、耳や手足が型押しされています。
繊細です。
そして、中の餡が独特でした。
写真では、黒っぽく写っていますが、水羊羹のような色でした。
小豆の皮をむき、極細メッシュで裏ごししたとかいう、最高級のあん、
『皮むきあん』 と呼ばれるものでしょうか?
雑味がなく、まろやかで口どけのよい、あっさりとした餡でした。
一年の始まり、寿ぎを印象づけるような丁寧な仕事に、
日本人の細やかな心を感じたような気がいたしました。
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