◆お稽古のお菓子◆

2008年1月~2月

仙太郎”花びら餅” 虎屋”木花文庫 ”菊廼家”椿餅 
”菊家”福ハ内”(お福) 菊家”福ハ内”(枡) 菊家”利休饅頭”


2008.1.23 仙太郎 ”花びら餅”

花びら餅とは、丸い餅(あるいは求肥)に紅の菱餅をのせ、
味噌餡と甘煮した牛蒡を置き、半円形に折り畳んだもので葩餅とも書くそうです。
形は、皇室の正月行事におせち料理やお供え、配り物として使われる菱葩に由来しているそうです。
江戸時代までは宮中内でのものだった由緒あるこの菱葩が、
明治時代、裏千家11世玄々斎が宮中より許されたことで、
初釜の菓子として使われるようになったということです。

梅や桜の花びらに見立て、新春を祝う餅菓子は、
丸と菱の合体から子孫繁栄や太平の願いも表しているといわれています。

裏千家では独楽盆にのせて初釜に毎年使われているそうです。

白い餅から、薄紅色に透けて見える春の花をイメージしたという仙太郎さんの”花びら餅”は、
京都の白味噌を使用した、白小豆の味噌餡で味噌あん、ごぼう、にんじん羊羹を挟んだ断面も美しく、
添えられた桜の形の花びらも、迎春を祝うにふさわしいいでたちの生菓子でした。

2008.1.23 虎屋 ”木花文庫”

”木花” とは梅の異称で ”文庫” とは手箱を意味するそうです。
薯蕷製の皮、白小倉の餡のお饅頭ですが、
新春の梅と結び紐の焼印、手箱を意匠化した四角という形は、
細やかなお仕事が、虎屋さんの歴史をも感じる、目や舌にも有難い季節のお菓子でした。


2008.1.23 菊廼家 ”椿餅”

椿餅は、日本最古の餅菓子の一つで 『源氏物語』 などに登場しています。
緑艶やかな椿の葉にはさんだ餅菓子は、椿の花が咲く2月頃に作られることが多いようです。
茶花としても、多く用いられているのではないでしょうか。
椿は茶室にお似合いの花材です。

菊廼家さんの椿餅は、皮は道明寺製、餡は小豆で、しっかりといただけるものでした。


2008.2.6 菊家 ”福ハ内”(お福)

08.8.1に、HPリニューアル後から数えて1万アクセスを突破とありました。
青山骨董通りで、昔ながらの風情を残す菓子処の”菊家”さんは、時代に即した頭の柔らかさを感じます。
もちろん、お菓子の方はすべて手作りで、日本の四季や伝統を大切にされていることが、
美しいだけではなく、遊び心のある意匠のお菓子を拝見することで伝わってきます。

ふくよかで優しいお顔立ちの”お福”さん。いただくのが忍びないほど…。
黒文字を入れれば、頬のピンクとのコントラストも春を感じる若草色の白餡。
おいしゅうございました。

2008.2.6 菊家 ”福ハ内”(枡)

上の菊屋さんの節分シリーズ、”福ハ内”。
枡にはお豆。芸が細かい。
割ってみれば、中は白餡と、お仕事が本当に繊細です。


2008.2.6 菊家 ”利休饅頭”

こちらのお店は”利休ふやき”が有名ですが、
厳選した黒糖の餡がたっぷり入ったこのお饅頭も、お抹茶によく合います。



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