お菓子を担当してくださる M さんに、おねだりをした今回のお菓子は、
期待を裏切ることのない、菊家さんの上生菓子です。
ホームページでご案内をしている夏のお菓子はほんの一部。
お店に伺うと、季節の志向を凝らした、意匠が美しく、色鮮やかなお菓子が並んでいます。
今回お稽古の人数は5名。それに合わせてお菓子も五つ。
全て姿の違うお菓子が、器を華やかにしてくれました。
菊家さんのお菓子はどれも扱い易いので、お茶席を知り尽くしているな~という印象を受けます。
客として、不安なく菓子器から黒文字でお菓子を懐紙に運べます。
勿論、水屋でのお菓子の用意も失敗がありません。
お稽古の時はその中の一つの”清流”を、
この季節の季語にもなっている 【青楓】 の懐紙に載せていただきました。
その後、再び同じものをと、お店に伺いましたが、”なでしこ” だけが姿を消していました。
一期一会を実感しました。
季節を意匠に表す、和菓子ならではですね。
右上写真の右手前の ピンク色のものが ”なでしこ ” ですが、淡雪、錦玉、粒餡製ということです。
魅力的!
ういろうと味噌餡。
まるで本物?見たまんまの可愛い ”枇杷” 。
丁度、お店に伺ったときが出来立てで、いただいた時は、周りがモチモチしてやわらか、
乳白色の味噌餡との色のコントラストも美しいのですが、お味の方もまた調和がとれて美味でした。
錦玉製、餡。
餡製の鮎や、色とりどりの小石が、【錦玉】 という、寒天と砂糖を煮詰め、冷やし固めたものの中に入っています。
透明の水の中に泳ぐ鮎という風物詩も相まって、初夏を感じる涼やかな印象の御菓子でした。
【錦玉】 ですが、作り方も材料も同じ 【琥珀】 は、同義語のようです。
宝石のような美しさがあるので、その二つの名で呼ばれているようです。
ちなみに 【琥珀】 とは、地中で、樹脂が化石化した黄色の美しい色が見事な透明感のある宝石ですが、
現在では、くちなしの実で色をつけた黄色のものだけを琥珀菓子というのではなく、
寒天を使った透明感のあるお菓子を、呼んでいるようです。
(塩野さんの錦玉糖)
さて、御菓子ですが、匠の技を感じました。
卵型の小石は、ピンク、ブルー黄色、白と色鮮やかですが、その中にグレーのものがありまして、
それが、じゃりっという食感。黒胡麻でした。細かい!しかも一つだけ。
甘さも上品な、本当に宝石のような御菓子でした。
こちら、菊家さんのホームページでは、筒型です。それが今年は扇型。
鮎が優雅に泳いでいました。
|