◆お稽古のお菓子◆

2009年5月16日


美濃忠”上り羊羹” 亀屋清長”麩のやき 玉壽軒”紫野

2009.5.16 名古屋 美濃忠 ”上り羊羹”

 

4月のお稽古でいただいた”初かつを”があまりに美味だったので、
今回も尾張名古屋の老舗菓匠”美濃忠” さんの、棹もの蒸し羊羹”上り羊羹”をいただきました。
前回いただいた”初かつを”と今回の"上り羊羹”は5月25日で、今年の販売は終了。
次期の販売開始は、”上り羊羹”が、9月中旬、”初かつを”は、2010年2月上旬なので、
このお味をいただく機会は、本当に今回限定でした。

名古屋でしか買えないと云われていた銘菓は曜日限定ですが
東京では日本橋三越か新宿高島屋で購入が可能です。
今回もその特権を利用して、お稽古のお菓子といたしました。
和菓子フリークには、有難いことです。

箱を開け、包装紙を取ると、ぷるっとした水ようかんを思わせる雰囲気のものが現れました。
切り分けるのが難儀ですが、そのために専用の糸がついています。
柔らかな弾力と粘り気があるためでしょうか。包丁だとうまく切ることができません。
ゆでたまごを切るのに私は台所に木綿糸を置いていますが、それと同じです。

”上がり羊羹” は、尾張徳川家に御用菓子として納めていたために
「お上のお召し上がりになる羊羹」 という意味で名付けられたといいます。

さらしあずきに砂糖と小麦粉を加え蒸しあげた蒸し羊羹だそうです。
とにかく軽い口当たりで甘さも優しく、むちっとした食感、なんともいえません。
旨味とあっさりとしていて、今までに味わったことのない感触です。

そのプリプリ感は、お菓子を運ぶ時から感じられました。
足を前に出すたびにゆらゆら。お席に置く時もゆらゆら…。

この羊羹をいただくまでに少し時間がかかりました。
一棹は、予定がないとなかなか買うのに勇気がいります。
一棹、8等分ほどにできますが、一人二人でいただくにはもてあましてしまいます。
そして、やわらかくとろけるような舌触りを持つこの羊羹、柔らかな弾力は、新鮮さにあるのでしょう。
消費期限は3日なのです。

しかし、いただいてみてお稽古中の皆さんが言いました。
「一棹、するりといただけちゃいそうね。」 と…。
それくらい見た目からは想像できない淡白な風味と、とろけるような食感。
上品で繊細な舌触り。美味しゅうございました。

さすがに、尾張名古屋の菓子匠の自慢のお菓子です。あっぱれ!


 


2009.5.16 京都 亀屋清長 ”麩のやき

  

秀吉公が北野大茶会に使ったといわれる麩せんべいを亀屋清永風に作ったお干菓子です。
ふわっとした食感の薄焼き煎餅で、サクッとした食感で、味付けが上品です。

今回いただいた時のお煎餅の焼印は、わらびのようですが、季節によって変わるようです。

パッケージを開けたとき、大きなお麩かいな?と思いましたが、
上の写真の包みの中に薄焼きのものが5枚入っています。
お味はお醤油と黒砂糖の2種類でした。

2009.5.16 京都 今出川大宮 玉壽軒 ”紫野

   

店名は、ほんけたまじゅけんと読みます。
慶応元年(一八六五)、井筒屋嘉兵衛という屋号で西陣織の織屋を営むかたわら、
菓子を商い始めたのが始りで、明治に入ると、屋号を”玉壽軒”と改め、
菓子づくりを専業にしたそうです。

元は千本今出川を上がったところで商っていたそうですが、大正五年に現在地に移転。
建物自体は、明治初年ごろに建てられた風格ある町家で、マンションなどが増加した西陣界隈において、
西陣の家並みの風情を守り続けているといいます。

京都の菓子司は、皇室や公家、茶道、寺院などとつながりを持ち、
文化的な交流を通して発展してきた店が多いようですが、
本家玉壽軒の場合も、禅宗をはじめとする各宗派の本山御用達として、永く愛用され続けているそうです。
「玉壽軒」 という屋号も、妙心寺の初代管長様に名付けていただいたそうです。

代表銘菓である”紫野(むらさきの)”は、紫野大徳寺の地名から名付けられたといいます。
大徳寺門前がつくる大徳寺納豆を、和三盆の落雁の衣で包んだ一口サイズのもので、
緑(挽茶)・黄茶色(きな粉)の・白の3種類があります。

落雁の上品な甘味と、大徳寺納豆の独創的なお味が調和した、
口の中で崩れた瞬間も楽しい、見た目にも可愛らしいお干菓子でした。





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