◆お稽古のお菓子◆

2007年4月~9月

村松総本舗 ”小城羊羹” 亀屋則克 ”てふてふ”
HIGASHIYA ”ひと口果子” 岬屋 ”観世水”
岬屋 ”黄味時雨” 岬屋 上南羹 ”あ己羊羹”
岬屋 本練羊羹 ”松重ね” MOCHI CREAM 
壷屋総本店 ”壷もなか” 壷屋総本店 ”大雪栗どら焼き”
本家尾張屋 ”そば板”  
岡田糖源郷 ”阿波和三盆糖”
亀中 ”どら焼”
亀中 ”最中”(大納言) 塩野 ”常盤松”
塩野 ”錦玉糖” 岬屋 ”古代蒸”(小豆あん仕立)
岬屋 ”古代蒸”(白あん仕立) 澤田屋 ”くろ玉”
清月堂 ”おとし文” 開運堂 ”真味糖”
天徳 ”ういろかっち” 房洋堂 ”落花生どら焼き”
岬屋 ”水羊羹”(こしあん) 竹風堂 ”方寸” 鳴門 ”宝づくし”

 2007.4.26 村松総本舗 ”小城羊羹”


 流し箱で一昼夜寝かせた煉り羊羹を、一本一本切り分けて竹の皮と経木で包んだ羊羹。

 作りたてはみずみずしく、日が経てば糖化した独特のシャリ感が増してくる中は、やわらかい昔ながらの製法だそうです。

 日持ちは風炉の時期で2週間。

 糖化する変化と、いただいたときの食感が面白い。

 種類は紅練・小倉・本練・きびざとうがあります。

 この日いただいたのは、小倉餡。


 2007.5.11 亀屋則克 ”てふてふ”


 
京都の三条の街中の路地、堺町通りにある風情のある門構えの亀屋則克さんは現在では珍しい座売りの販売のお店。

 座売りとは、畳のある昔ながらの店がまえのことだそうです。
 
 ご近所さんはこのお店を 「のりかっちゃん」 と呼んでいるということです。

 和菓子浜土産(5月中旬~9月中旬限定)が特に有名です。

 百貨店の出店はなし。

 この日は季節の、蝶々のお干菓子。

 2007.5.13 HIGASHIYA ”ひと口果子”

 餡をベースに様々な果実や木の実を組み合わせた彩とりどりの小さなお菓子。
 左から、
 棗バター…干し棗の自然な甘みに香ばしい胡桃と、コクのある発酵バターを合わせたもの。
 鳥の子…(とりのこ)さわやかな刺激の生姜入り白餡に、濃厚な蜂蜜を合わせたもの。
 濃紫…(こいむらさき)コクのある紫餡に、歯ざわりのよいカシューナッツを合わせた食べごたえのある一品。
 柑子…(こうじ)野菜の甘みを活かしたかぼちゃ餡に、酸味のあるクリームチーズを合わせたもの。
 深支子…(こきくちなし)薩摩芋に黒胡麻とバターを合わせ、スゥイートポテトのような味わいに仕上げたもの。
 萌葱…(もえぎ)黒糖焼酎に漬け込んだレーズンを、深みのある抹茶餡で包んだもの。
 他に薄香(うすこう)紫根(しこん)黒紫(くろむらさき)牡丹鼠(ぼたんねず)路考茶(ろこうちゃ)桧枝(ひわだ)があり、全12種類があります。

 ”煉りきり”と、”蒸しもの”の構成。

 こちらのお菓子は、パッケージも店構えもお洋服感覚で、お菓子にもそんな斬新さがあるように感じます。
 
 この日はお茶室を借りたお稽古だったので、そんな目新しさが、お稽古をいっそう楽しくしてくれるかしら?と選んでみました。


    
 2007.5.25 岬屋 ”観世水”

 薯蕷でこし餡を包んだ季節(5月)の生菓子で、白のお饅頭生地に焦げ茶色の水模様(観世水)をのあしらいが、ほどこされています。

 お懐紙に貼りついてしまう湿気のあるものなので、いただく時は注意が必要かもしれません。
 
 外側はしっかりハリのある口当たり。
 餡は白っぽいこし餡で、品の良いあっさりとしたお味。

 京菓子のお店だからでしょうか?
 お菓子の姿もお味も、奥ゆかしさを感じました。

 2007.5.25 岬屋 ”黄味時雨”

白餡に黄味を混ぜた、きみしぐれ。
控えめなお味で、ほろほろと崩れる食感。
淡い黄色と、表面のひび割れの佇まいが、自己主張をしない品のよさを感じました。

 2007.6.6 岬屋 上南羹”あ己羊羹”


 もち米から作った上南粉が入っているため、もちモチッととした食感。

 控えめな甘さでした。

 鮮やかな黄色で、黒の菓子盆にとても映えました。


2007.6.6 岬屋 本練羊羹”松重ね”


 
お着物の色の合わせの名前をつけたという、優雅な煉り羊羹。

 こちらも上の”あ己羊羹”と同様に、お茶室に映える御菓子でした。

 2007.6.13 MOCHI CREAM (ずんだ豆、黒ごま、大納言)

 MOCHI CREAMは冷やして食べる新感覚のジャパニーズスイーツ。 

 全部で24種類あるそうです。

 その中には、クリームショコラやロイヤルミルクティーなどもあります。

 雪見大福のアレンジバージョンとでもいいますか、見た目や食感は大福ですが、いただいたときの涼感と洋風のクリームは、新しく、楽しい感じがしました。

 2007.6.28 壷屋総本店 ”壷もなか”

 北海道、旭川の名店の昭和八年に創業5周年記念で発売した商品いう歴史ある壺もなか。

 発売以来、製法を変えず、自家製餡でつくり上げているそうです。

 中のあんは大納言小豆黒餡と白隠元白餡

 2007.6.28 壷屋総本店 ”大雪栗どら焼き”

 北海道美瑛産の小豆を使った栗入り自家製餡入りのどら焼。

 一枚一枚丹念に焼き上げた皮は、手づくりならではの味わいで、自慢の逸品だということです

 2007.7.4  本家尾張屋 ”そば板”  岡田糖源郷 ”阿波和三盆糖”

 京の町車屋町二条、創業540余年の本家尾張屋は静かな落ちついたたたずまい、のお蕎麦やさん。
 趣きのあるお茶室があるそうで、蕎麦甘味もいただけるとか。
 そば粉たっぷりの手焼きの蕎麦菓子の甘みは材料のそば粉なのでしょうか?
 薄くて扱いやすいこのお菓子は、創業540年という歴史に育まれた風情も感じました。

 和三盆糖とは、徳島と香川県の一部で現在も栽培されている在来品種である砂糖黍を原材料に、現在も機械等をあまり使うことなく作られている数少ない国内産の砂糖だそうです。
 
 阿波和三盆糖とは「阿波の国=徳島県」側で産した物を呼ぶそうです。
 その和三盆を作っている製糖所のお干菓子はふわりと甘く舌に溶けていきました。


 本家尾張屋 ”そば板”は、楽天で購入できます。



 2007.7.11 亀中 ”どら焼”(手亡豆)

 100余年の歴史を誇る、浅草を代表するお味。

 ふっくらと苦味を感じる皮の焦げ具合が、香りも素朴感も、単に下町の味にとどまらない独特の旨味と存在感で、私にとって、究極のどら焼です。

 餡は白餡と黒餡の2種類。
 手亡豆の白餡は特に味わい豊か。

 手作り感のある風情も、このお店の顔のような気がします。

 2007.7.11 亀中 ”最中”(大納言)

 圧倒的な大きさと、はみ出した餡の量の丸型が特徴の最中。

 最中の皮に餡が挟まっているという感じではなく、餡の上に皮がのっかっている、といった印象です。

 餡は粒餡で、しっかり甘く、ボリュームもたっぷり。

 2007.7.11 塩野 ”常盤松”(大納言小豆)

 「栗最中」「菊最中」「常盤松最中」あるうちの小判型の小ぶりの最中。

 赤坂の老舗の、品の良いお味の最中。



 2007.7.11 塩野 ”錦玉糖”(薄荷、レモン)

 夏の清涼感をと思って求めたのは、氷のような形態で、色は半透明と水色。
 
 半透明の方はレモン味。水色が薄荷味でした。

 食感はゼリーの砂糖衣とった感じです。

 各種あり。

 2007.8.6 岬屋 ”古代蒸”(小豆あん仕立)

 「蒸」で「もち」と読むそうです。

 漉し餡と、卵の浮島仕立て。

 こちらはこし餡でつくられたもの。

 和風ケーキといった味わいで、キメが細かく、しっとりしていました。

 2007.8.6 岬屋 ”古代蒸”(白あん仕立)

 こちらは白餡仕立てのもの。

 上の小豆あん仕立てのものより、卵の風味が感じられました。

 見た目の派手さはないけれど、上品な印象です。

 2007.8.29 澤田屋 ”くろ玉”

甲斐の銘菓で、諸国銘菓でよく目にする品です。。
上質のえんどう豆を、丸いあんこ玉にして、黒糖をかけたもの。
黒糖の独特の甘みで、風味豊かです。



 2007.8.29 清月堂 ”おとし文”


武家社会のむかし、身分の違うお武家様に恋をした女性が、かなわぬ想いを筆にしたためたものの、
恋文を渡すに渡せず、丸めて川に流したその様を「おとし文」といったそうです。

そのはかない恋心を想わすほろほろとした切ない口どけを表したのが、清月堂本店看板商品になっているそうです。
黄身餡を漉し餡で包み、蒸気を当てたお菓子。
材料は、こだわりの卵と北海道産の小豆、徳島産の和三盆、厳選された素材を使っているそうです。

東京みやげには必ずその名が出てくるこのお菓子は小ぶりでお煎茶にもよく合いそうです。



 2007.8.29 開運堂 ”真味糖”

 信州を代表する日本の銘菓「真味糖」は、長期保存を可能にする為、乾燥して干菓子に仕上げてありますが、本当は生菓子なのだそうです 。
 いただいたのは干菓子ですが、お茶会用に、生もご用意していただけるようです。

 鬼胡桃と蜂蜜などを用いた和風タッフィーで、裏千家淡々斎宗匠の命名によるお茶席菓子だそうです。

 木の実を使った食感や、味わいが、面白い。

 黒砂糖を用いた「真味糖大島」もあるそうです。


 開運堂 ”真味糖”は、楽天で購入できます。


 2007.9.6 天徳 ”ういろかっち”

 創業からの商品で50年余りの歴史を持つ商品だそうです。

 夏は冷やしていただくと、さらに美味しくなるそうです。

 竹皮で包んであるので、いい香りがします。

 ういろうの美味しさを再発見できる一品で、モチモチの食感が魅力的でした。


 2007.9.6 房洋堂 ”落花生どら焼き”

 館山・千葉中心に店舗展開している和菓子屋さんのお品。

 しっとりした皮に落花生の餡が入っています。

 この餡が、ピーナッツペーストのようで、落花生の味がしっかりしていています。

 また、細かい落花生が少し入っていて、コリコリした食感もあり、愉しいどら焼です。

 2007.9.12 岬屋 ”水羊羹”(こしあん)

 こしあんとつぶあん、白小豆の三種類。

 この時期の、このお店のこだわりのお品だということで、有難くいただきました。

 口どけがよく、さらりとして、甘さ控えめの逸品でした。

水羊羹は「一棹(ひとさお)」単位の販売です。

岬屋さんは東京では数少ない本格的京菓子の伝統に則った店で
茶道の宗家(千家)が、贔屓にしてることもあり、茶人には高い評価を得ているそうです。



 2007.9.12 竹風堂 ”方寸” 鳴門 ”宝づくし”

 方寸は、初代が創製してから90余年のお干菓子です。

 北海道の富良野産の赤えんどうを焙煎し、粉に挽き、粉糖と水を調合して型に込め、乾燥してできたお菓子だそうです。

 パリッとした歯当たりと香ばしさで、もたつかず、すっきりと融けるこの食べ口です。

 信州のおみやげというだけでなく、広く知っていただきたいな~と、思っている私のお気に入りの常備菓子です。


 竹風堂 ”方寸”は、楽天で購入できます。



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