◆お稽古のお菓子◆

2009年4月19日

美濃忠”初かつを” 亀屋良長”京都

2009.4.19 名古屋 美濃忠 ”初かつを”

 

尾張名古屋は老舗の菓匠が多くあるといいます。
そのうちに一つ ”美濃忠” さんの、この棹もののお菓子。
念願叶って、ようやくいただくことができました。

”美濃忠” さんは、初代尾張藩主徳川義直公が名古屋城入府の際、
駿河の国より同道し、尾張藩御用の菓子屋を勤めた桔梗屋の流れをくむそうです。

”初かつを”、そのネーミングには、いささかびっくりといいますか、
お菓子にこれはいかがなものかという思いでしたが、
お店のおすすめ商品でもある ”上り羊羹” と共に、このお菓子は期間限定の人気商品のようです。
かつては、尾張徳川家の献上品だったといいます。

2月に訪れた日本橋三越の”菓遊庵”で、たまたま扱いがあることを知り、その時に買い求めようかと思いましたが、
一棹、片付ける予定がなかったものですから、やむなくあきらめました。
このお品、消費期限、3日なのです。

「かつを」 が旬のこの時期、そうだ!と思い出し、今回のお稽古の時のお菓子にどうかと思いました。
そして実現しました。いただくまでに、時間、かかりました。
以前、名古屋に帰省する方にお願いをと思っていたことがありました。
しかし、日本橋三越でも同じでしたが、消費期限が短いため、いただく予定がたたないと、難しい。
その時もそんな思いで見送りました。

その消費期限の理由は、いただいてよくわかりました。
柔らかな弾力は、新鮮さにあるのでしょう。
上生菓子と同じ立ち位置のような感じです。

外郎(ういろう)のような食感ですが、蒸し羊羹です。
上質な葛を贅沢に使っているといいます。
みずみずしい食感で口にとろけます。この点が外郎とは異なるような気がしました。
甘さも品が良く、つるつるとした歯ざわりは、絶品です。

その姿、箱を開けた瞬間は、まさしく 「かつを」 をイメージしました。
お見事な切り身模様です。串に刺して一あぶりして…なんていうくらいこの筋目、リアルです。
でも、切り分けていただくと、淡桃色で品が良く美しい。
新緑のお茶室に、映えます。淡桃色は、この季節によく似合うような気がします。

今回、フリーダイアルで、東京で扱うお店をうかがいましたところ、
大変丁寧に、日本橋三越さんは、火曜日入荷、
新宿高島屋さんは、金曜日入荷ということを教えてくださいました。
今回のお稽古が、日曜日でしたから、翌々日までにいただくという期限を
新宿高島屋さんで購入し、クリアしました。名古屋からの配送もしてくださるそうです。
取り扱いは2月中旬から5月下旬までということですから、本当にこの時期の限定品です。
いただくことに価値ありのお品です。

1棹 税込 2,310円(本体価格 2,200円) なり。


 


2009.4.19 京都・醒ヶ井 亀屋良長 ”京都

  

京都・醒ヶ井(さめがい)の地の亀屋良長さんは、享和3年(1803年)創業の老舗です。
現在で7代目東本願寺、嵐山法輪寺様等の神社、仏閣、茶道、華道の御用達のお店だそうです。
代表銘菓は”烏羽玉(うばたま)”という昔ながらの黒砂糖を用いたお菓子ですが、
写真の”京都”
は、京都土産に人気の商品だそうです。
包装とパッケージ、そして中身の可愛らしさ。まさしく京都。
その名に恥じぬ風情という印象です。

実はこの日のお稽古、長居ができませんでした。
なので、一つだけお持ち帰りし、家でお抹茶点てていただきました。
ちょっぴり割れています。御見苦しくてごめんなさい。

半月型の干菓子です。
柔らかいおせんべいに餡が入っています。私の頂いたものは、小豆の粒餡でしたが、
原材料名に、柚子ジャム、生柿ペースト、味噌なんてありますから、それぞれが違う餡だったのでしょう。
そして、焼印が押してあります。私のは、桜でした。
他は蝶や梅、つくし。年間商品であるなら、季節ごとに違うんでしょうか?

抹茶と合いました。甘さがお茶とバランスが良いように感じました。
ねっとりとした食感でした。水飴、米飴が使われているためでしょうか?
この手のおせんべいは昔からあったものなのでしょうね。
中身は色々ですが、茶席に頻繁に登場します。古典的ですね。

こちらのお菓子ですが、洛中三銘水「醒ヶ井水(さめがいすい)」を使ったことが特徴のようです
このお水は、かの千利休も愛した銘水なんだそうです。
包装紙にはこうあります。「京銘水から生まれる京菓子」

平成三年に社屋を新築したおりに、昭和三十七年の阪急地下鉄工事の影響で枯れていた井戸を掘り直し、
「醒ヶ井」と名付けて、再び菓子づくりに用いるようになったんだそうです。
醒ヶ井通とは、その昔、洛中三名水と謳われた「佐女牛井」の名が地名として残ったもので、
亀屋良長さんでは、水への感謝を込めて、毎年七月第一日曜日に「水祭」を開催しているそうです。
また、醒ヶ井は一般にも解放され、水を汲む人たちの姿が見られるといいいます。




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