◆お稽古のお菓子◆

2009年12月6日

”冬至” ”くろ玉”

2009.12.6 京都 笹屋伊織 ”冬至”



幕末の時代、
東側を左京、西側を右京と呼ばれていた平安京の入り口であった羅城門から、
大内裏まで北にまっすぐ伸びる朱雀大路を挟み、
その左京と右京にはそれぞれ一つずつ、設置された左市(東市)と右市(西市)がありました。

「平安左市遺店菓匠最旧老舗 笹屋伊織(へいあんさしてんかしょうさいきゅうろうほ ささやいおり」と
称されていた笹屋伊織さんは、
享保元年(1716年)創業より左市(現・七条堀川付近)に店を構え、
その左市に最後まで残っていた店の中で、
菓匠として最も古い老舗であったことが、そのように云われた由縁であったといいます。

その当時の左市の賑わいの様子を描いた絵を、菓子箱や掛け紙に用いていて
お菓子を購入するとその時代をうかがうことができます。

また、毎月20日21日22日のみ販売する代表銘菓「どら焼」は
江戸時代末期、5代目当主笹屋伊兵衛が京都の東寺のお坊さんより、
副食となる菓子を作って欲しいとの依頼を受け、
お寺でもお作り出来るようにと鉄板の変わりに銅鑼を使うことを考えついたのが始まりで、
通常の「どら焼」はまったく異なった、円柱形をしている
モチモチっとした食感の皮のどら焼です。

なぜその3日間限定の販売かといいますと、東寺の弘法大師さま=空海
のご命日の21日の前後ということなんだそうです。

初めてこちらの上生菓子をいただきましたが、
そういった老舗を感じる、落ち着いたあっさりした味わいのものでした。
季節を感じる菓銘”冬至”を柚子の形で表現した、もち製の白ぬきあん製でした。




2009.12.6 甲府 澤田屋 ”くろ玉”

甲斐の銘菓”黒玉”は、「くろ玉」は、昭和4年に発売され、
75年間愛される「澤田屋」さんが自信をもっておすすめする伝統の逸品だそうです。

中央高速、甲府周辺のPAやキオスクなどでおみやげとしても販売されていますが、
お茶請けとしても、なかなかイケているお品ではないかと思います。

名前の通り黒い玉状で、外は真っ黒です。
中は写真ではわかりにくいのですが、黄緑色の餡です。

 中の餡は、青えんどう豆を用いたうぐいす餡で、
餡とは別に煮た北海道産えんどう豆を一緒にまぜているそうです。
外側は、黒砂糖を羊羹に仕立てて包んであります。

自然でコクのある黒砂糖の甘さが素朴な印象を与えてくれるお菓子です。

 




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