◆お稽古のお菓子◆

2008年10月5日


源太”花野 総本店柿寿賀”柿寿賀”

2008.10.5 東京新大久保 源太 ”花野



創業以来、茶の湯を心得た菓子を求めて茶人が集う、茶の湯菓子処『源太萬永堂』さん。
今年の夏も、俳人中村汀女も句を残したという、名物の水羊羹をいただく機会を逸しました。

主人の源田萬年(げんだまんねん)さんは、昭和12年福井県の生まれ、
お店を構えて、お茶菓子一筋、約40年だそうです。
都内の主要な茶室を知り尽くしたご主人は、その茶室の照明を考慮に入れた上で、
テーマに沿った取り合わせを考案し、茶道の先生方の信頼に、応えているそうです。

こんなお話を聞くと、とても敷居が高い感じがいたしますが、
応対をしてくださる奥様?は、とても気さくですし、
お店は、新大久保から徒歩3~4分。韓国料理店が多く立ち並ぶ、繁華街にあります。

また最近では、
新宿伊勢丹地下一階の”名匠銘菓売り場”にて、毎週木曜日のみ販売しています
しかし、
「源太萬永堂さん」は、完全予約制で、作り置きはせず、
お茶会の席や、贈呈用等手創りの味を大事にしているので、
この伊勢丹でも、もちろん完全予約制ですし、お菓子は6個入りのみの販売です。
お店にうかがっても、お菓子の姿はなく、買い求めることはできません。

洗練された匠の味と、季節感を感じさせる茶菓子は、源太さんのこだわりと、技の賜物なんですね。
上生菓子は、週替りで1種類しか作らず、
お茶をいただく時に、何のお菓子にあたるかは、サプライズでもあります。

今日いただいたお菓子は 秋の野を意匠した、薄緑と淡い黄色のきんとん製。
奥ゆかしい色合いの、中太のそぼろの中身は、小豆の漉し餡。
透きとおるように、さっぱりした甘さが、冴え渡り、あっさりとした甘さなのに、後味の余韻を感じ、
お抹茶を味わうためのお菓子なのですね~と、未熟者のわたしは思うのでした。

来年こそは、水羊羹!週代わりの季節の上生菓子もまたいただいてみたいです。

 



2008.10.5 奈良 総本店柿寿賀 ”柿寿賀”


  
”大仏もほほえむ味や、奈良の柿”(白朝光)
 千三百余年の歴史を誇る、奈良の都の柿は、平城京の昔より「御所柿」として献上され、
いにしえの人々に愛され親しまれてきました。

また、「味は大和の鶴志柿」 とも詠われております。
真っ白く干しあげた柿を、丁寧に開き、柚子皮を芯として、堅く巻き上げたものが「柿寿賀」です。
 「柿寿賀」、この優美なる名前は、長寿を祝う”寿賀”と”柿”から創作したものです。
干柿の甘味と、柚子皮の酸味による妙味。万葉の雅をお楽しみください。(説明文より)

干し柿が苦手な方でも、美味しいと思えるお品かもしれません。
品名は”柚子皮干柿巻”

箱から取り出した姿は、サラミソーセージのような棒状です。
買い求めた”新宿高島屋銘菓百選”では、
それこそ、サラミソーセージのように、5mm位に切ってあったので、そのようにしていただきました。
ナイフを入れた瞬間、柚子のいい香り。外側は干柿の糖分で白くなっています。

一口いただくと、「おいしいー!」 と言葉に出るお菓子です。
季節のものであるのと、その形態が興味をそそり、買い求めましたが、お茶うけはもちろんのこと、
お酒のおつまみとしてはイケるのではないかと思いました。

1本に使ってある干し柿の数は、なんと!20個だそうです。
切り口の断面を、我がお茶シスターズはCTスキャンの断面図と言いましたが、
私的には、お花に見えました。

要冷蔵のこのお品、冷凍も可能で、切る時は冷凍の方が切り分けやすいそうです。

干菓子と思って供しましたが、
少しべたつき、手で取っていただくのは取りにくいであろうと、思い黒文字箸を添えました。

柿はビタミンC、ポリフェノール、食物繊維などが豊富で、
ほどほど食すと、高血圧、高コレステロール、二日酔い、糖尿病にもよろしいということです。

柿のお菓子として、大変気に入りました。




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