4月27日月曜日
何をやってるんだろう!厄日だった。
お財布を紛失した。
気ぜわしい午前だった。
柚子の鼻粘液、甘夏のシーズン中の出血でシミだらけのベッドカバーやクッションカバーを洗濯板でゴシゴシやっては洗濯機を回していた。
甘夏がシーズンになってこの作業はほとんど毎日。
午前中の時間の経過があっという間だった。
二度目のお散歩間際になって gre からTELがあった。
急な仕事で、柚子の薬を取りに行けそうにないので任せられないかということだった。
明日は休院。そして明後日は祭日。今日行くしかなかった。
抗生剤と安定剤、どれほどの効果があるかはわからない。
安定剤は、眠れない落ち着かないということにどれだけの効力があるのかはわからないが、食欲増進になっていることは確かだった。
癌細胞は恐ろしく柚子の体重を減少させていた。だから、食事が摂れなくなることは、あってはならないことだった。
その安定剤のおかげで、今はドッグフードをふやかしたものを食べてくれている。
病気になる前の量よりも、もしかしたら今の方が多いくらいだ。
食べてくれる。それだけであたし達の安心感が違っていた。
抗生剤、これも喉や鼻の炎症を抑えていると思っている。
最近、口からの出血が治まっている…。
すでに午前の診療時間には間に合わなかった。
夕方4時頃に行き、薬を引き取り、即行で帰ってごはんと散歩ができるように獣医さんに薬の用意を頼む電話を入れた。
その電話の前、三匹を散歩していると、甘夏のことを優しげに見ている中年男性がいた。
甘夏はすぐにその方のそばに行ってお愛想をふりまいた。
すると、「ウチのコ、亡くなっちゃたんです」と言われた。
先代甚平衛と同じ、フラットコーテッドレトリーバーを飼っている方だった。
最近、おみかけしなかったので案じていた。
そのコは癌だと聞かされていた。
一時は、だいぶ良くなったと言って、朝のお散歩でよくお会いしていた。
亡くなったのは2月だったという。
7歳。
まだ悲しみでいっぱいの日々なのだろう。
大事にしていたわが子のことを同じ傷みを分かち合うもの同士ということだったのか声をかけられずにはいられなかったのかもしれない。
娘さんが、中学受験の時に迎えたコだったそうだ。
柚子を検査して悪性黒色腫だということがわかった高度医療センターで治療をされていたそうだ。
ウチの甚兵衛が亡くなったことをご存知だったので、「フラットは癌になりやすいんですかね~」と無念さを訴えていた。
そして泣いてしまった。
今は心が弱くなっているので、こんなことがあると人目もはばからず、こみ上げてきてしまう。
そして柚子が今、癌と闘っていることを告白してしまった。
柚子が癌であること。お散歩犬友達には、誰にも話していなかった。
抱っこしたりバギーに乗せてお散歩していることは、高齢だからを理由にしている。
時に「犬のくせに歩かないで」なんていう人もいるし、癌だということを知って、「かわいそうね~」などと会うたびにそういう視線をむけられるのはいたたまれないと思っている。
都度都度、心が痛みそうな気がするし、柚子自身にもその言葉が届いてしまうような気がするから、これからも、告白するつもりはない。
でも、この方には、なぜか同じ傷み、アタシも今感じていてわかりますよ。と伝えたい気持ちになってしまった。
その後、また甘夏を見て「ウチにも同じ、ラブラドールがいてね~」と今度は話しかけられた。
初めてお会いするラブラドールのリーリーちゃんのパパだった。
普段はママがお散歩をされている。
本当に大事にされていて、いつも一緒を常に感じる。
今13歳。
「昔は、2階にいる僕のところにいると必ずやってきたんだけれど、最近は階段が上がれなくなっちゃってね~」と寂しそうに言われた。
そして「ウチのが、あのコがいなくなったらどうなっちゃうのかと心配なんですよ」と続けた。
パパも同じ気持ちなのだと感じた。
そして、ママが感じているリリーちゃんに対する気持ちに、またもや、涙が出てしまった。
そんなことが影響したのか?悲しい気持ちになっていた。
お財布の入ったポーチを置き忘れちゃうなんて…。
初めてのことだった。
無いことに気づいて5分も経たないうちに置き忘れた場所に走ったが、すでになかった。
荷物をたくさん持っていて、それだけを持ちそびれたようだ。
なんてこと!何度も、最後にお金を払ってからのルートを歩いた。
でも、あるわけがなかった。
ソコに置き忘れたのは確信していた…。
スマップの草薙くんの逮捕の報道があった時、彼は今、奈落の底に突き落とされた感じじゃないかと口にしたが、まさにその時の自分がそうだった。
どうしたらいいかわからなくなっていた。
とにかく駅前の交番に行くことにした。「とにかく紛失届けを出しなさい」と言われたが、どうしたらいいのかわからなくて「カードとかは止めたほうがいいですよね」と言う私に、お巡りさんは、銀行に行きなさいと言った。すぐに行った。
手続きして座っている時に、これが夢であればいいのに…。そう思った。
でも目の前の書類はあまりにもリアルだった。
口が渇いていた…。
今さっきATMに寄ったばかりなのに…。
その後、再度交番へ行き、届けを出した。
もう、あきらめていた。
失ったものはヴィトンのバッグにヴィトンの財布だった。
出てこない、そう思った。
各カード類、運転免許証、保険証、これを再発行することの面倒にも愕然とした。
そして、柚子のことが気になっていた。
銀行と買い物を済ませ30分で帰るつもりだった。
2時間近くが経過しようとしていた。
その間、鼻粘液を喉につまらせていたらどうしよう。
頻繁に出るようになってから、絶えず見て、拭っていた。
そう思ったら、もう起きてしまったことは仕方がない、そういう思いになりはじめていた。
もう気持ちは家にいる柚子に向いていた。
大丈夫だった。
でも、鼻ばたけ牧場だった。
心配そうにしていた。「ごめんね。ごめんね」そういうと、尻尾をぶりぶり振っていた。
しばらくそばに居てあげた。
その後、クレジットカード会社に電話した。
まもなく携帯が鳴った。が出られず…。
なんと!交番からだった。
バッグがお財布とともに出てきたということだった。出金したばかりの現金4万円はなかった。
でも通帳もあった。カード類、全てそのままだった。
現金だけ抜いて、置き忘れた場所のトイレに置いたらしい。
不幸中の幸いだった。
4万円、今の不況の中、我が家の家計にも大きくひびく。やっぱりショックだった。
でも、怪我もない。だれかを傷つけたりしてない。
厄落としだ。そう考えることにした。
慌てて銀行や、カード会社に連絡したことだけが、悔やまれた。
再発行するまで、一切使うことができないし、登録番号まで変わる。
ネットでの買い物も勿論できないし、この登録もやり直さなければならない。
面倒が増えてしまった。
でも、運転免許証は助かった。
柚子の薬、どうやって取りに行こうかと思っていた。
自転車かと…。
柚子のことをお願いしている獣医さんは、以前住んでいた家の時にお世話になったので、電車で行っても駅からはだいぶ離れているし、車以外ではかなり手間だった。
車なら往復1時間以内で行ける。
交番に受け取りに行ってそのまま、家には戻らず、獣医さんに向かった。
届けてくれた方は、名も名乗らなかったということだった。
4時半帰宅。大急ぎでごはんを作るが、柚子にごはんを食べさせるのに時間がかかる。
散歩に出たのは5時過ぎだった。
ドッグフードは食べてくれた。ここ何日かは、お肉はどんなに小さくしても食べてくれない。
喉につかえる感じがするのか?拒否をする。
その分、インシュアリキッドで補う。
散歩、最初は、元気がなく、今日は用を済ませるだけかと思った。
ところが、大好きな商店街に出たら、歩くと意思表示して家まで歩いた。
義母のところでのおやつはダメだった。ウチでのガムもダメだった。
gre は、私達が、義母のところに居る時に帰ってきた。
どうやら、仕事が早く終わったらしい。
私が薬を取りにいかなくても大丈夫だったのではないか…。
でもコトは起こるべきして起こるもの。
今日の失敗を話す。
義母には話さなかった。告白したら、余計自分が傷つきそうな気がしていた。
gre には昼間、本当は連絡したかった。相談したかった。
でも、以前、仕事で出かけたNYのセーフティボックスから高額な現金を盗まれたことがあり、その報告を受け、私自身がかなりへこんだ経験から、仕事中に入らぬ心配はかけてはいけないと差し控えた。
寝る前に行く柚子の一日の最後の散歩、転寝をしてしまって忘れてしまうgreに怒りを覚える。
決まった時間に行ってあげてほしい。今は一番にこのコのこと、して欲しい。
でも、お仕事で疲れているのよね。それもわかっています。でも…。
  
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