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柚子の闘病日記・プロローグ



 もし自分が飼っている動物が、不治の病に冒されているとわかったらどうするのだろう。

お勤めの人は、懐が許せば、獣医さんに預かってもらうのでしょうか?
可哀想でも、家に置いておくしかないのでしょうか?
動物には、ホスピスは勿論、介護してくれる人もいなければ、病院もありません。

24年間、犬とともに生活してきたのに、今までの別れ方がそうではなかったので考えたことがありませんでした。
初めてそういうことが身に降りかかったにことで、友達から、「そばにいてあげられていいじゃない」と言われました。
それは、専業主婦であるアタシだからできることという風にも受け取れましたが、死に対する対応は、その人ができる範囲ということになってしまうのだと思いました。

犬であろうと人間であろうと、何ら変わりがないのかもしれません。
看てあげられなければ、やはり病院なのかもしれません。

自分が病人という立場だったらどうなのでしょう。
やっぱり、家族のそばにいて逝きたいと思うのではないでしょうか?

確かに犬ごとき…。こんなことを思うこと自体、傍から見ればばかげたことなのだと思います。
でも、私にとっては、自分の家族が死んでしまうのと変わりがない思いなのです。
もしかしたら私にとっての犬は、家族以上に密接な多くの時間を関わっていて、共に生きているかもしれません。

柚子、ゆず、あなたがうちのコになったあの日の姿、忘れられません。
初めて私達の前に現れた時、お買い物籠に入っていた800gの柚子。
お鼻が短くって、何処へ行っても可愛いコだとほめられて…。
でも、あんまり可愛いから、小さい時からどこにでも車で連れて行きました。
もしかしたらそのことで、人見知りのコにさせちゃったのかもしれません。

倍賞美津子さんが飼い主役で映画にも出演しましたね。
写真のモデルもしましたよね。

かぼすという可愛い子も産んでくれました。
初めての出産でたいへんだったけど、あの生命の誕生の瞬間は本当に感動だったし、柚子の子育てを見て、動物の本能に関心しました。

好きな場所は人込。でも、人がそばに寄ると逃げ出す臆病者。

去年は、アタシの不注意から、靭帯を損傷して二度と歩けないかと思った辛い6ヶ月を過ごしたけれど、復活しましたよね。
あの時は、ギブス姿で満足にお散歩ができなかったから、柚子だけ別部隊でした。
甘夏がまだやんちゃな時で、私は、一日5回のお散歩をしていました。
柚子とは、5ヶ月間の蜜月を過ごしましたね。
犬用のバギーは、あの時 gre(だんな様) が買ってくれたんでしたね。
今日という日まで役立って使うとは思ってもみませんでした。

その間、いたずらが酷かった甘夏は、最低限のことができるいいコに成長しました。
図体が大きくても、きちんと柚子のポジションには一目置いて、リスペクトの姿勢ですよね。
柚子の存在は、犬の中でもいつでも中心で、私も gre も感のいい貴方の存在は一目置いていました。。

いづれは来る別れ。
それが、やってきちゃうなんて…


  

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